気持ちの引き出し

人間だから機嫌が悪くなることもあるし、良いときもある。例えば、昨日夫婦喧嘩をしたとか、通勤途中の電車の中でひどい目にあったとか。だが、そうした感情を表立って仕事中に見せたりすることは良くない。そのとき取り組んでいることに対して感情が伴うことは私は仕方が無いと思うが(得意先にひどい物言いをされるとか、上司との間で何か問題があったとか。冷静に対処できるのが一番だが、そうもいかないこともあるだろう)、他の場所で起きたことが原因となって感情がコントロールできなくなるのはいかがなものか?(誰かが死んだとか、恋愛で…ってのは…対象外にしたいなぁ)
そういう私は気持ちを切り替えることがとても苦手である。特に怒りよりも悲しみがダメ。(私は怒るという感情がうまく表現できないのである。もし怒ったら、どうなるのだろうか?)表面上普通を装っても、頭の中ではそのことばかり考えてしまう。ボーっと虚空を見ているようなことが多くなるらしい。これは今に始まったことではなく、小学校くらいからそうだったと思う。よく授業中に「なにをボーっとしているんですか!」と、小学校の担任によく言われていた。ボーっとしているように見えて、頭の中では色々と考え事をしている。本来ならばそのとき集中すべきことに集中できない。私の悪いところだ。
プライベートと仕事という枠だけではなく、さらに仕事の中でも、感情が細分化してコントロールしなくてはいけないような仕事がある。例えば医者の外来の仕事。前の患者ともめたからといって、次の患者と接する時にそういう不満をぶつけられてはたまらない。今見ている患者だけにその瞬間は全力で向かっている。そして次の患者になったら、またその患者に全力で…と患者が変わることによって、前の患者のことは全て引き出しに入れて、また新しい引き出しをあけて次の患者に対応する。(もちろん、そうじゃない医者もいるが…)そして、次の外来の時には、医者は前にしまった引き出しをあけて、そのときの情報を元に対応する。私のボキャブラリーが乏しいもので他の職業を例にできないのだが、そういう気持ちの引き出しをちゃんと出し入れできる人を見ると「プロだなぁ」としみじみ感じさせられる。医者や看護士が、患者の死をも乗り越えて仕事ができるというのは、そういうことができるからなのではないか。
先天的な性格もあると思うのだが、これができる人がうらやましい。多くの会議に出席しなくてはならない場合など、とても有効そうだし。

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