私が「カンゾー先生、見てみたいなー」と妻に話したのを覚えていてくれたのか、DVDを借りてきてくれた。何ともコミカルかつエロい作品だったような覚えがあるのだが、話しの詳細は良くわからず。予想していたものとは違ったけど、むしろ想像していたものより良いかも。あらすじはこんな感じです。いつもすみません、amazonさん。
戦時下の岡山県で「開業医は足だ」をモットーに診療を続ける赤城風雨(柄本明)は、どんな病気も肝臓炎と診断してしまう「カンゾー先生」と呼ばれる医者。「このままでは日本中に肝臓炎が蔓延し、国が壊滅してしまう」との危機感を抱いた彼は、診療の傍ら肝臓炎ウィルスの研究に精を出す。そんな折り看護婦として雇われているソノ子(麻生久美子)が、負傷した脱走兵・ピート(ジャック・ガンブラン)を診療所に匿ってしまう。
ネタバレしない解説だとこのくらいになってしまうのかな?ただ面倒でどの患者にも「肝臓炎」と言い続けているだけかと思ったが、実際にそれだけ蔓延している病気だったらしい。肝臓炎とは「肝臓の炎症性疾患の総称。病因によってウイルス性・中毒性・自己免疫性に分かれ、また、経過により急性と慢性に分かれる。」とのこと。ウィルス性のものであるとうつる可能性があり、さらに顕微鏡等を使用しないとそのウィルスを確認することはできない。慢性になるとお腹に水がたまり、すさまじい状態になるようだ。本作品の中にもそうしたシ-ンがあり、驚いた。
本作品は大東亜戦争末期の話で、本土決戦も辞さない時代に生きる人々を生活を描いているのだが、それを見事に映像で表現している(といっても戦争中に生きていたわけで、実際にはこれと異なるのかもしれないが、今村昌平監督を信じたい。)。ボロボロで汚れた衣服を身につけながらも、現代よりもむしろ生き生きと「人間らしい」生活をしているように私の目には映った。この世界からすれば、今の私達の世界など「無菌室」のようである。とにかくたくましい。ソノ子の家庭は両親が亡くなっており、とても貧しい。生計は売春(作品の中では淫売という言葉を使っている)での収入。ひどいあばら家に住んでいるソノ子の妹、弟は満足に飯を食うことも出来ず、空腹のために「お姉ちゃん、淫売たのむ。」と書かれた置手紙を残して、寝ている。子供だから淫売ということが何なのか、良くわかっていないのだろう。唐十郎が演じる酒ばっかり飲んでいる坊さんや、モルヒネ中毒の外科医(世良公則)と破天荒な人がたくさん出てくる。実に面白い。
私としてはかなりお勧めの作品である。
カンゾー先生
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