必殺必中仕事屋稼業

『金に生きるは下品に過ぎる 恋に生きるは切なすぎる
 出世に生きるはくたびれる とかくこの世は一天地六
 命ぎりぎり勝負を賭ける 仕事はよろず引き受けましょう
 大小遠近男女は問わず 委細面談仕事屋稼業』

始まってしばらく経つが、テレビ埼玉で平日AM9:00から必殺シリーズ第5弾「必殺必中仕事屋稼業」が放映されている。
(放映当時はは1975年1月4日~6月27日までの、全26回)
上記はその番組開始のナレーションである。この作品辺りから定着してきたのか、前作の主役級(つまり、暗闇仕留人の中村主水)がこのナレーションをしている。
「必殺」の文字を冠した作品としては、必殺仕置人以来、3作ぶりである。
(必殺仕置人放映時に、仕置人をみて逆上して人を殺したと言われた事件があり、それ以来、明らかに必殺シリーズなのだが「必殺」の文字は番組タイトルにつけていなかったのである)
番組のテーマはナレーションにあるように、博打。とにかく「賭ける」ことがこの番組の一貫したテーマになっている。賭けるのは金だけではない。仕事師たちの「命」も賭けながら仕事をしていくのである。

主役は坊主そばという蕎麦屋の主人「半兵衛(緒方拳)」、遊び人の「政吉(林隆三)」、そして元締め的存在である、飛脚問屋の主「おせい(草笛光子)」である。主に殺しに関わるのは前の二人で、半兵衛は鬚そり用の剃刀で首の動脈を切る(飛血をさけるため、手ぬぐいで首を押さえて殺す)。放映当時、理容業界で同じ剃刀を使っていたため、理容業界の団体からクレームがついたといういわくつきの代物である。政吉は匕首のようなものだが、これは元々はおせいが政吉に与えたものである。最終回まで、おせいの口から出ることは無かったが、政吉はおせいの子であり、止むに止まれぬ事情があり、おせいは政吉を子供の頃に捨てている。そのときに、その匕首を渡している。
殺しに関しては、シリーズを見渡しても最も戦力不足かもしれない。たまにおせいも茶道具に細工をしたもので殺しに関わることもあったが、ほとんど半兵衛と政吉が対応している。そのため、一人が数人殺らなくてはならない回も少なくは無い。

シリーズ中、この作品が特殊なのは仕事料の出所である。おせいは「仕事屋」と呼ばれる裏稼業(直接殺しを依頼されることもあるが、どちらかというと探偵業に近い)をしているのだが、そこで依頼人から金を受け取っていない(とか、受け取る前に殺されちゃってるとか)場合が多い。そのため、仕事料はおせいが身銭をきっている場合がほとんどである。昔、大悪党と付き合って大金を手にし、飛脚問屋を始めたといえ、自分に関係する人が殺されたときに身銭を切る仕事師は確かにいたが、これほどの頻度で身銭を切る人は今まで居なかった。

全体的に「博打」という遊びの色を前面に出しているが、博打というのは明日はどうなるかすらわからない、刹那的な一面も持っている。本作品の最終回はまさにそれを象徴しているかのようなものである。
非主水シリーズの中では指折りの出来と思えるこの作品、毎日楽しみに拝見しております。

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Master's Square Ver.2.0 - 必殺仕切人 (2007年5月 4日 01:01)

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