必殺仕切人

『花が咲いても人は泣き その泣き声は蝉時雨
 月は晴れても心は闇で 逃げて彷徨う雪の中
 一年三百六十五日 鴉の泣かぬ日はあれど
 悪人笑わぬ日とてない 恨みを断ち切る仕切人
 浮世の気晴らしなさってくだせえ』

テレビ埼玉で「必殺必中仕事屋稼業」が放映されているかと思えば、テレビ東京の平日11:35~12:30には「必殺仕切人」が放映されている。私は毎日必殺を2作見ているわけで、脳が完全に必殺脳になっている。
(1984年8月31日~12月28日まで18回放映)
上記は番組開始時のナレーションで、市川段四郎が担当している。

主役はキャストの順番を見ていると、占い師をしている「お国(京マチ子)」ということになるが、実際は三味線屋の「勇次(中条きよし)」であろう。あの見事な三味線糸捌きで、悪人どもを吊り上げている。
本作の特徴は、必殺必中仕置屋稼業とは正反対で、仕事人の多さとその派手さが挙げられる。「お国」は矢のような先が尖った細い棒で首筋を刺して殺す。針仕事の指導をしている「新吉(小野寺昭)」は竹の定規に見立てた薄い刃の刀で突き刺す。殺しの際、ターゲットを特定するために相手に待ち針を刺し、その待針が夜光塗料が塗ってあるかのように光るため、そこに向かって突撃して刺し殺す。見ていて意外と面白い。途中から殺し業が変わったために技を二つ持つ理髪店の旦那「勘平(芦屋雁之助)」は、前半は尖った小指で相手の髷を切って、解けた髪で相手の首を絞め殺す方法(必殺仕業人の赤井剣之介に近い)と、木や柱にゴムのように弾力性のある紐を括ってリングのようなものを作り、そこに相手を投げ飛ばして返ってくる相手を壁にぶつけたり、ラリアットしたり…見てもらわないとこれはわからないかもしれない。小鳥屋「虎田龍之助(高橋悦史)」は、死に顔を見たくないので布で相手の顔を隠し、鉄製のものすごく大きなキセルで頭を殴る。本当に大きいキセルで、あんなもので殴られたら1撃で脳が陥没するだろう。どうでもいいが、虎田龍之助っていうか高橋悦史はかっこよすぎるぞ。学生何だか良くわからないおにいちゃん「日増(山本陽一)」は殺し役というより、相手を誘導したり、驚かせたりするのが主な役目。爆発させたいところまで火薬を誘導させ、その火薬の列に着火。大爆発を起こす。「勇次」は言うまでも無いと思うが、三味線の糸で相手の首を引っかけ、らんまや木のようなものに引っかけて吊り上げ、殺す。えーと、つまり6人も殺し屋が居ることになる(虎田龍之助は出演する時としないときがある)。

こんなに人数がいたら一人当たりの仕事料が目減りして何だかやってられないような気分になりそうだが、そういう考えも吹っ飛んでしまいそうなほど殺しが派手なので、もうどうでも良くなってくる。あまり深いテーマの話も多くは無い。とにかくばっさばっさと人を殺してスカッとしたい人向けの作品である。個人的には新吉の殺しが好きである。

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