http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070628-00000007-mai-soci
<抗うつ剤>「パキシル」服用の自殺者増加 副作用の疑い
6月28日3時2分配信 毎日新聞
抗うつ剤「パキシル」(一般名・塩酸パロキセチン水和物)の副作用が疑われる自殺者が05、06年度と2年連続で2ケタに増えたことが厚生労働省などの調べで分かった。パキシルはうつ病やパニック障害などに有効だが、若い人を中心に自殺行動を高めるケースがあり、添付文書にはすでに警告や注意が明記されている。厚労省は医療関係者に「患者の状態の変化をよく観察し、薬の減量など適切な処置を」と呼びかけている。
パキシルは世界で発売され、国内では00年11月から販売。製造・販売元の製薬会社「グラクソ・スミスクライン」(以下GSKと略)によると、推計売り上げは01年は約120億円で、年々増え06年は約560億円。推定物流ベースでは抗うつ剤全体の約25%を占め人気が高いという。一方、厚労省の患者調査では、うつ病などの気分障害も増加傾向で、96年の43万3000人に対し、05年は倍以上の92万4000人に上っている。
厚労省と独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」によると、同機構への報告が義務化された04年度以降、パキシルの副作用と疑われる症例のうち、自殺をした「自殺既遂」は04年度が1件だったが、05年度は11件、06年度は15件と増加。自殺行動が表れた「自殺企図」も04、05年度の各2件に対し、06年度は24件に増えた。いずれも03年度以前は1ケタとみられ、06年度は厚労省が5月末現在でまとめた。
増加の原因について、医療関係者によると、処方される患者が増える中、医師が投与後、経過を十分に観察していないことなどが考えられるという。
一方、同社は「患者が勝手に服用をやめると、病状が悪化する恐れがあり、必ず医師に相談してほしい」と話している。【玉木達也】
田島治・杏林大教授(精神保健学)の話 パキシルはうつ病に有効で、自殺関連の副作用が表れるのもごく一部とみられる。ただ、投与後、最初の9日間は慎重に様子をみて注意が必要だ。また、うつ病を早く見つけ、治療するという流れにのって、軽いうつ状態にまで、すべて薬を投与するのは問題だ。特に若い人の場合、カウンセリングで治るケースも多く、慎重にすべきだ。
最終更新:6月28日3時8分
あるアメリカの精神科医の言葉である。
「我々は精神障害を起こすような社会を治そうとはせず、薬を使って無理やりその社会に適応させようとしている。これが正しい方法なのだろうか?」

上のニュースで挙げられている坑うつ剤「パキシル」は確か3年ほど前から処方されるようになった新薬である。多くの坑うつ剤はセロトニン、ヒスタミン、アドレナリン、ドーパミン等の脳内神経伝達物質を受容する量をコントロールすることで症状を改善していくのだが、このパキシルは特にセロトニンの受容体取り込み阻害に強い効果がある。多くの坑うつ剤は眠気や口の渇き、手の震えなどの副作用を伴うものだが、パキシルはそれらに比べ副作用が非常に少ないとされている。また、薬の効果の出方が強く、一気にうつ症状が改善されたかのように感じられることもある。
…ということになっているのだが、副作用の発生はかなり個人差があると聞く。焦燥感の増大や前立腺系の障害、血圧の変動、頻脈etc... また、妊婦に投与した際の奇形児の発生比率は、他の坑うつ剤に比べて高い。18歳未満への投与は原則しない。
うつが原因の自殺というのは、うつがどん底の状態から少し回復期に入ったときに発生することが多い。自殺するということも結構パワーが居ることで、うつがどん底の時は、何かしたり考えたりするようなパワーが全く無くなる。そこから薬を投与しながら休養をとって次第に回復させていくのだが、この頃になると色々と考え、行動するパワーが生まれてくる。
パキシルに特に自殺の危険性が強いのは、かなり急速にこれに近い状態へ持ってくることが出来るためではないかと私は考えている。
坑うつ剤はロングセラーの製品も多く、古いものだと40年位の歴史があるものもある。こうした古い薬は十分に副作用が知り尽くされており、投与する側としてもどのような反応があるのかが予測できる。坑うつ剤の中には、開発された時点では坑うつ剤としての効能を目的としていなかったようなものもあり、実に面白い。とある薬は血圧を上げる事を目的に開発されたのだが、たまたま血圧の障害だけではなくうつも併発している患者に投与したところうつも改善したため、うつにも効果があるとされ現在はどちらの患者にも処方されている。このように何らかの「結果」から「原因」を分析するリバースエンジニアリング的(ブラックボックス的?)なアプローチにより生まれた薬はその効用と副作用が広く知られている。
それに対して新薬の怖いところは、どのような副作用が出るかがまだ良くわかりきっていないところである。実験レベルで副作用が無いといわれても、うつの原因が千差万別なように、患者ごとに反応が異なることである。非常に慎重な処方が必要だといえよう。
そもそも、脳の障害が原因でうつを発症する患者は1,000人中3人くらいの割合しかいないらしい。しかし、現実社会において潜在的なものも含めると、うつ患者は10人に3人程度の割合で存在していると言われる。つまり1,000人中297人は、ストレス等の外的要因によりうつ状態に至っているといえる。
この「パキシル」を開発した会社はGSKである。GSKは米国の会社であり、米国ではこうした薬がとにかく必要なほどにワーカーホリックが多く存在している国である。そして、そのワーカーホリックの原因となる「効率化」や「市場のグローバル化」を強力に推し進めているのも米国である。
米国は他国で紛争を起こすと同時に、それに必要となる兵器も輸出している。どうも私にはこの構図が「うつ」という病を通して見え隠れしているような感じがしてならない。国家間の経済競争が過熱すれば、それだけ労働によるストレスも増えてくる。それを米国製の薬で解決する。まさにマッチポンプというやつである。














