今朝、会社へ向かう電車で隣に座った男性がSEIKOクロノグラフという、「OMEGA Speedmaster Automatic」に似た腕時計を身につけているを見て怒りがこみ上げてきた。先日のブログで「SEIKO 5の事はいつか書く」と書いたので、今日書くことにする。
SEIKOという時計メーカーに対して皆さんはどのような印象を受けられるだろうか?
日本を代表する時計メーカーであり、従来の機械式時計とは比べ物にならないほど精度が高い「クォーツ」式の時計を1969年に世界で始めて誕生させ(機械式時計愛好者の方は「無粋なものを作りやがって」と思われるかもしれないが、SEIKOが作らなくても他のメーカーがクォーツを作っていただろう。私はムーブメントの小型化実現により、時計デザインの自由度を高めたと言う意味でクォーツを評価している)、人の動きからムーブメント駆動に必要な電力を発電する「キネティック」や、機械式時計でありながらもクォーツと同等精度を持つ「スプリングドライブ」といった高度な技術をプロダクトにフィードバックしている非常に優秀な企業である。技術云々を抜きにしても、確固たるブランドイメージも持っている。私の勝手な印象だが、質実剛健というか、無難と言うか…車でいえばトヨタに似たブランドイメージを懐く。
実際、SEIKOの国産向け製品は特別安いというわけではない。最も安いモデルでも定価\21,000である。これより安価で若者向けのモデルはALBAブランドでリリースされている。また、高級ラインとしてはCREDORというブランドを持っている(スイスのR社も真っ青になるほどの価格の製品もたくさんある)。双方ともワールドワイドに販売展開されているようで、国内専用、海外専用製品はあるものの、ブランドの方向性に差異はない。
今朝見かけたモデルはSEIKOの逆輸入モデルとしてネットショップやディスカウントショップなどで\10,000前後で販売されているのだが、実際どの国で販売されているのかはよくわからない。SEIKOの国内向けサイトはもちろん、ワールドワイドサイト内で検索しても、このような時計は見当たらないのである。知っている方が居たら教えて欲しい。
私はこのSEIKO逆輸入商品の何を問題にしているかというと、以前、ELGINやテクノスの事を散々非難したのと同じ理由である。有名ブランド製品のデザイン流用があまりにも多いことである。かつ、さらに問題なのはある意味ELGINやテクノスは「終わってしまったメーカー」でブランドイメージを維持する必要性を感じないのに対し、SEIKOは確固たるブランドイメージがあることである。これはSEIKOの国内向け製品を買ったユーザーを侮辱するに等しいと私には感じられるのである。
さて、実際にどの程度のパクリ感があるかを実際に確認してみよう。今朝目撃したモデルはOMEGA Speedmaster Ref.3513.50に非常に似ている。SEIKOのモデルが自動巻きなのに対し、SEIKOのモデルはクォーツで絶対的な違いがそこには存在する。さて、表面的なデザインはどうであろうか?3513.50が日付表示機能付きクロノグラフとしてある意味完成されたデザインであるが故、それに近いものが生まれるのは何とか理解しよう。しかし、アームやブレスの形状までが似せてあるのはどういうわけであろうか?さらにタキベゼルが風防から外側に向けて斜角がつけられているあたりも非常に似ている。だが、あくまで似せて作られているだけで、アームの部分はのっぺりとしたデザインでタキメーターの文字の墨も浅いようである。何となくショボイつくりになっているのは否定できない。このSEIKOクロノグラフは10気圧防水らしいが、スクリューダウン式のプッシュボタンを採用せずに10気圧防水なんてありえるのだろうか?私は無理だと思うのだが…
実売価格を比較すると、SEIKOクロノグラフは\10,000-に対し、Speedmaster 3513.50は\150,000-位で、大体15倍の価格差である。私は3513.50を所持していたので粗が非常に気になったが、それを知らないと3513.50が法外に高いように感じられるかもしれない。しかし、こういう比較を自分自身もブランドイメージを持っているSEIKOがやっていいのかという点については大きく疑問を抱かざる得ない。

続いてSEIKO 5である。今回例に挙げる時計は、多くの人が見た瞬間に「ROLEX…DATEJUST?」と思ってしまうような、フルーテッドベゼル&ジュビリーブレスを採用したSEIKO 5である。日差は随分と出てしまうムーブメントのようだが、一応自動巻きである。もしかすると、曜日表示あり(といっても、海外使用の逆輸入版なので、英語とスペイン語表記w)&シースルーバックなので、ロレよりもいいなんて方も居たりして…。安いジュビリーブレスはちょっと使うとグダグダになってしまい、そのくたびれっぷりが何ともいえない。とてもじゃないが恥ずかしくて身につけることが出来ないモデルである。
他にも数々の有名ブランドに似たデザインのものが大量にラインナップされているが、もうしんどいのでこのへんでやめておく。こういうものを見続けると、何ともいえない気持ちになってくる。
だが、中国ではこのSEIKO 5のパクリすら存在する。それがこのSAIGO 5である。大爆笑モノだが、中国の貧民層にはSEIKO 5も高嶺の花なのかもしれない。


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