私が時計を離せない理由

社会人にとって、時間を守れないというのは相当致命的なことである。10年あまり社会人生活をしてきて、このことを身にしみて感じてきた。いくら仕事ができても、仕事のできる、できない以前に時間が守れるかどうかという「基本」がなっていないと、評価は著しく低下する。
私はかなり時間にルーズな人間である。これは社会人になる前…学生のころからそうであった。学生の頃は友達に迷惑をかける位で済んでいたのだが、社会人になってからは学生の頃と比較にならないほど、私自身が不利益を被ってきた。過去、最も時間にシビアだったのは専門学校の講師をしていた頃である。私が遅れると多くの受講生に迷惑をかけてしまうため時間内に間に合うように教室に入ったのだが、私は余裕を持って教室に入るということをしなかったために、いつもギリギリであった。ギリギリだと何かトラブルに巻き込まれると確実に遅れてしまう。そうしたことまで予期して受講生を待たせないようにせよと学校側からは再三言われていたのだが、私には時間通りに来ることが精一杯であった。

こんなギリギリの生活をしていると、時間を瞬時に確認する手段がどうしても必要になる。私の場合、携帯電話で時間を確認するのでは間に合わないのである(腕時計を着用せずに済む方というのは、常に時間に余裕を持った生活をしている方ではないかと思う。立派である)。しかも、私は時刻を多少進ませて使用している。その進ませ具合も時計によってまちまちである。というか、機械式時計は一日数秒の日差が必ずあるため、勝手にまちまちにされているというのが実情である(機械式時計の動力源であるぜんまいは金属製であり、気温によって伸縮する。夏は時刻が遅れ、冬は時刻が進む傾向がある)。時計技師の方は時刻が進むほうには寛容らしく、オーバーホール後の時計は大体進みがちになっている。これを定期的に戻しているのだが、時間にルーズな私にとっては都合が良かったりする。こういうところもクォーツと異なる機械式の味であると思う。

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