どうも高級時計の売れ行きが良いようである。円安で海外ブランドの製品は軒並み定価をアップしているにも関わらず…である。
先日、J-Waveで平日22:00~23:45にかけて放送されている「PLATON」という番組を聴いた。高級腕時計の特集だった。
高級時計について語るなら、どこからを高級時計と呼ぶのか、これを定義しておかなければならない。
この放送にはゲストとして時計雑誌などによくコラムを書いている某ライターが出演していたのだが、
「世間の感覚からかなりずれているとは思いますが、時計業界における高級時計といいますと…」
という前置きをした上で
「100万円以上のものであれば高級時計といえるかと思います。それ未満はおもちゃ、10万円以下ならゴミ…」
と、こりゃまた驚かされるようなことを言っている。だが、時計マニアの世界では本当にそうなのである。「世界の腕時計」や「IWW」あたりの雑誌を読んでいると、だんだんと感覚が麻痺してくる。車で言えば「カーグラ」ばかり読んでいると起こるような感覚麻痺現象に近い。
にしても、大半のROLEXはおもちゃか…私もおもちゃかゴミしか持ってないです(泣)
100万を超える時計だともちろん機械式時計で、範囲の大小はあると思うが、職人の手作業が入っているような時計である。具体的なブランドを挙げれば、高級三大時計と呼ばれる"PATEK PHILIPPE"や"VACHERON CONSTANTIN"、"AUDEMARS PIGUET"はもちろん、"FRANCK MULLER"や"BREGUET"、"A.LANGE & SOHNE"、"JAEGER LE COULTRE"あたりもほとんどのモデルが100万を超えるため、高級時計と言えるだろう。
時計の値段を高める要素は、大きく分けて3つあると思う。
1つは時計自体に組み込まれる複雑機能の有無だろう。姿勢制御による時計の緩急を調整する「トゥールビヨン」や、機械仕掛けのアラーム「ミニッツリピーター」、月ごとの日数の変動やうるう年の計算をして日付を表示する「パーペチュアルカレンダー」などが該当する。これらの機能が含まれればその瞬間に値段が跳ね上がる。機械式の時計だと精度も値段に関係してくるように思われるが、これは現行のどの時計もほぼ一定レベル以上の精度が保障されているので、高級時計の価格決定要因にはなりにくいと思う。
2つめは時計の材質や宝飾によるものである。腕に着けて使うという性質上、腕時計の傷は避けて通れない問題である。傷がつきにくいステンレススチール(SS)が実用面では最も優れているように思うが、イエローゴールド(YG)、ホワイトゴールド(WG)、プラチナ(Pt)等の貴金属も時計のケースやブレスに採用されている。また、ダイヤやルビーがちりばめられた時計も存在しており、そうした宝石の分だけ値段は上昇する。ちなみに、日本ではYGや宝石を散りばめられたモデルよりもSSの方が人気が高く、場合によってはSSの方がプレミアがついて高くなる場合すらある。YGは使いこなす側も一定の貫禄が必要だろう(黒人は金色がとても似合うんだけど…)。しかしSS人気が異様に高いのは世界的に見ると日本くらいで、「裕福である以上、社会貢献をするのは当たり前」という文化の欧米では貴金属、宝石付きモデルも良く売れている。日本人は金を持っていても社会貢献のために使ったりしないから、必要以上に金持ちに見えるものを敬遠するようなところが見られる。
3つめの要素はブランドである。そのブランド名が冠されるだけで値段が上がってしまうようなものも少なくは無い。買う側も「PATEK PHILIPPEならしょうがないか…」と、一種の諦めのような気持ちが働いてしまう。個人的には「何でこれがこんなにするわけ?」と思えるものも少なくないが、具体的に挙げるのはやめておきましょう。
では、実際にどんな時計を選ぶのが妥当なのか?自分のステータスに見合ったものを選べば良いわけだが、日本には明確な基準があるわけではない。明確にステータスがクラス分けされている欧米では、
「所有している車の値段の1/3の値段」
が妥当とされている。これだと私も"PATEK PHILIPPE"を買えるわけだが(笑)日本的価値観からすると、随分とずれているような印象をうける。
私は「適切な時計」は年齢、キャラクター、シーンの3要素から導き出せるのではないかと考えている。
「年齢」はそのままである。やはり若い人が身に着ける時計と、おじさん、おじいさんが身に着ける時計は違うと思う。おじさんがG-SHOCKやALBAの時計を身につけていたりすると「あちゃ~」と思う。おじいさんがスピードマスターなんかを身に着けていても結構???である。注意してほしいのは、年齢に見合った時計は値段で決まるわけではないと言うこと。例えば、オリエントスターロイヤル。十数万と廉価だが、これは若い人にはあまり似合わない印象がある。YGの時計も、年を重ねないと似合わない。
次の「キャラクター」とは、その人自身の志向である。その人がどんなものを好んでいるのかをアピールする一つのポイントであると思う。ブランド志向が強い方なら"BVLGARI"や"Cartier"等の宝飾ブランドのものを使用するのも一つの手。スピマスプロあたりならメカニカルなものに興味があることを印象付けられる。ミリタリーウォッチあたりも、大きな自己表現になりそうだ。それぞれブランドや製品に少なからずイメージが込められているため、無言の意思表示にもなる。あまりマイナーすぎると逆に伝わらなくなっちゃうけど…
そして最後の「シーン」は…明日に回しましょう。