自虐の詩

これほど1時間以内にちゃぶ台返しを見る経験は古今無いだろう。現代の超スロー撮影技術と、近代オヤジのちゃぶ台返しのコラボレーション。「もったいねぇなぁ」と思いながらも噴出してしまっている不謹慎な私がいます。
大体、キャスティングがもう反則に近い。最近だと『嫌われ松子の一生』で私の心をわしづかみにしてくれた中谷美紀が再び薄幸な女性を演じ、また続きやんねぇかなあ...やるなら必ず見るのになぁとすら考えている『トリック』主演の阿部寛&監督の堤幸彦の作品だ(堤作品では『ケイゾク』も好きだぞ)。劇場で見逃したのをものすごく後悔し、ようやくこの時期になってDVDを見るに至った。

原作は業田良家が週間宝石に連載していた漫画である。ストーリーはamazonから引用させていただこう。


森田幸江(33)は、無職で甲斐性無しの葉山イサオ(35)に尽くしている。二人は大阪で一緒に暮らしているのだが、まだ籍を入れていない。幸江がラーメン屋で働きながら生活を切り詰めやりくりしているというのに、イサオは毎日ボーッとして、やることといえば賭け事ばかり。気に入らないことがあれば、ちゃぶ台をひっくり返す。ところが幸江は、周りに何と言われようと、イサオに惚れて惚れて惚れぬいている。


主演は中谷美紀(森田幸江)、岡珠希(森田幸江の中学時代)、阿部寛(葉山イサオ)、西田敏行(森田家康)、遠藤憲一(あさひ屋マスター)、アジャ・コング(熊本さん)、丸岡知恵(熊本さんの中学生時代)、名取裕子(美和子)、佐田真由美(森田秋子)、竜雷太(組長)、カルーセル麻紀(福本千春)、斉木しげる(訪問販売の男)、ミスターちん(難波警部)、金児憲史(船場巡査)、Mr.オクレ(喫茶店主)、島田洋八(ポン引き)、蛭子能収(新聞販売店店主)、松尾スズキ(中年男)、業田良家(あさひ屋の客)ほか。堤幸彦監督。2007年作品。オフィシャルサイトはこちら

この作品、単純に「混沌とした大阪の街並み(『三丁目の夕日』の大阪版みたいな~)」や「登場する味のありすぎるキャラクター」を見ているだけでも面白い。原作ではそうではないようだが、幸江の出身地が気仙沼なのが何ともいえない。あそこってあんなに訛りがあったっけ?でも、言っている言葉がなんとなくわかってしまう東北出身者の私である。
前半、どうしようもないイサオの行動を客観的に見ているだけでも面白い。何をしてもうまくいかないといえば、幸江に気があるあさひ屋のマスターもそうだ。そう、出演する多くのキャラクターが何をしようとしてもうまくいかない。ごった煮の世界の中で生きているそうした人たちの日常だけで十分面白いのだ。
後半、幸江が産まれてすぐに家を出て行ってしまった母との関係を中心に、過去を振り返るシーンがしばらく続く。ここで何故こんなにも幸江はイサオを愛しているのかがわかるのだが、オヤジの家康が乱入してくる以外はちょっと退屈かも。色々紆余曲折あって、幸江を心配してくれる人がたくさんいることを知り、彼女は自身が幸せであることに気づく...

がぁぁあ!そんなの私は認めません(笑)。
幸せなんてものはそもそも存在しないのね。求めても得られるものじゃない。今、不幸だと思っているあなた。いいんです。仕方が無いんです。そういうもんなんです。生きている意味なんて無いんです。
淡々と時間が過ぎていく。それだけなんじゃないんですか?

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