今日、明日と横浜のおじのところにお世話になる。例年のイベントである。
狙うのは海の日。その日は横浜の花火大会があり、高台にあるおじの家からは真正面に花火が見える。すばらしいロケーションなのである。
しかし、今年は『横浜港開港150周年』のイベントが方々で行われ、花火大会は7月末に行われる開港記念花火と一緒に行われることになったようである。実に残念だ。
午前中におじの家に行く予定であったが、鉄道のトラブルで、着いたときにはお昼になっていた。もっと早く来られたのであれば、鎌倉のほうに行くなど別プランもあったようだが、今日はそこまで足を伸ばさずに『三渓園』へ行くという。この時点での私の予備知識はゼロ。その名もはじめて聞くような場所で、一体何があるのかもわからぬまま、おじについていったのである。

バスを乗り継ぎつつ、三渓園最寄のバス停へ着く。このあたりで昼飯でも...と思ったが、完全に住宅地で飲食が出来そうな雰囲気は全くなし。ほとんど朝食を食べていなかったのでかなりお腹が空いていたが、もしかすると中に何かあるかもしれない。

まず、到着して驚いたのはこの景色である。大池と呼ばれる池がなんとも清々しい。
入り口周辺にあったパンフレットを手にし、ここがどういうところであるかがようやくわかってきた。紹介はサイトから引用させてもらおう。
三溪園は生糸貿易により財を成した実業家 原 三溪によって、1906年(明治39)5月1日に公開されました。175,000m2に及ぶ園内には京都や鎌倉などから移築された歴史的に価値の高い建造物が巧みに配置されています。(現在、重要文化財10棟・横浜市指定有形文化財3棟)
東京湾を望む横浜の東南部・本牧に広がる広大な土地は、三溪の手により1902年(明治35)から造成が始められ、1908年(明治41)に外苑、1923年(大正12)に内苑が完成するに至りました。三溪が存命中は、新進芸術家の育成と支援の場ともなり、前田青邨の「御輿振り」、横山大観の「柳蔭」、下村観山の「弱法師」など近代日本画を代表する多くの作品が園内で生まれました。その後、戦災により大きな被害をうけ、1953年(昭和28年)、原家から横浜市に譲渡・寄贈されるのを機に、財団法人三溪園保勝会が設立され、復旧工事を実施し現在に至ります。
よくもまぁこれだけ集めたものだと感心してしまう。

池の先を良く見ると、三重の塔が見える。『旧燈明寺三重塔』である。重要文化財で1457年(康正3年)建築。かなり古いものである。

池の周りを歩き出すと、左手に蓮の花が見えてくる。私は蓮の花の中にある、花が散った後に残るものが気持ち悪くて嫌いなのだが、花だけ見ている分には良い。こんな綺麗な常態の蓮の花と大きな葉が池を埋め尽くしていた。

蓮の池から少し歩くと、鶴翔閣(旧原家住宅)が左手に見えてくる。萱葺の屋根で横浜市指定有形文化財に指定されている鶴翔閣は、茶会、句会だけではなく、なんと結婚披露宴の席としても利用可能である。私達が訪れた時も何かのイベントをしており、中に入ることは出来なかった。

睡蓮池には何故か亀が。まぁ、ワニなんかじゃないからいいけれど。

池の向こう側に見える観心橋を渡る人が見える。しっかりとこの庭園を見るとすると、あそこに達するまでには相当な時間が必要になりそうである。

まだアジサイが残っていた。ここのアジサイはブルー。アルカリ性の土壌のようである。

ここからが内苑である。御門を潜ると...

隠居の『白雲邸』に入る門がある。1920年(大正9年)建築の数奇屋風の建物で、こちらも鶴翔閣と同様に貸し出しをしている。この日は門が閉じられており、中に入ることは出来なかった。

さらに内苑へ進むと、重要文化財指定の『臨春閣』が見られる。1649年(慶安2年)建築。襖絵は狩野探幽、狩野安信などによって描かれており、さすがにここの貸し出しは行われていない。

渡り廊下が周囲にぐるりとあり、

廊下の窓を開ければ、真下に池が。夏、ここに座って本を読んだり、スイカを食べたりしたら気持ちがいいだろうなぁ...

『臨春閣』全体。二階に人がいるぞ。

こちらは『聴秋閣』。同じく重要文化財指定。1623年(元和9年)建築。三代将軍徳川家光によって立てられた。二階に小部屋がある楼閣建築物。実に面白い作りである。二階はどの程度の大きさなのであろう?大それた考えだが、このような別室が自分用にあったらなぁ...なんて思ってしまう。

ここらで一服するために、三渓記念館の中で抹茶を頂く。抹茶頂くのは結構久しぶり。お菓子は落雁。私は子供の頃、落雁が大嫌いで今も別に好きなわけではないのだが、ここで頂いたものはおいしかった。特にピンクの色の方は桜の風味が若干あり、おいしい。

大池に戻るとカモが佇んでいた。

大池の茶屋では鯉のえさ(棒状で、食べ物の"ふ")のようなものが\80で売られており、その近くにはえさやり場がある。えさを投げ込むとすごい勢いで鯉がワラワラとやってくる。

入り口の対岸から池を眺める。なんとも落ち着く景色である。
この先で見られるものは、さすがにおじの足では厳しいので、一人で。

『旧燈明寺三重塔』。重要文化財指定。1457年(康正3年)建築。室町時代、応仁の乱の前に作られたものである。京都あたりではこういうものがゴロゴロしているのだろうが、関東の現存する塔では、これが最古である。

外苑にある『松風閣』。中に入ることができる。

松風閣から海を眺める。色々なプラントだらけである。

船も見えた。タンカーか?
帰りに欧風料理の店で食事。結局、昼飯は食べておらず、朝も軽くしか食べていなかったので、お腹が空いた。

バスの車窓から見える横浜の夕暮れ。これから魅力的な横浜の夜が始まる。