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博士の愛した数式

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何かの分野に対し真剣に取り組んでいる第一人者と言われるような人の講演や授業というものは、非常に面白いことが多い。それはその取り組む対象への哲学が生まれてくるからではないかと思う。誰よりも面白いところを知っている。そしてその面白さを皆に知ってほしいと思う。例えが適切ではないかもしれないが、芸人のようなエンターテイナーだなぁと思わせてくれた先生を私は何人も知っている。
私ももう10年以上も人に物事を教える仕事をし続けてきた。グラフィックデザインや情報技術をいかにわかりやすく、好奇心を持たせて伝えることができるか?どんな実験や実習をさせればより理解が進むかを自分なりに考えながら教えてきたつもりなのだが、受講生に「この人は本当にこういうことが好きなんだなぁ」という思いを少しでも抱かせることができたかどうか…私はこの作品の博士と中学校の数学教師となったルートを見ながら振り返らずにはいられなかった。

不慮の交通事故で、天才数学者の博士は記憶がたった80分しか持たない。何を喋っていいか混乱した時、言葉の代わりに数字を持ち出す。それが、他人と話すために博士が編み出した方法だった。その博士の下で働くことになった家政婦の杏子と、幼いころから母親と二人で生きてきた10才の息子。博士は息子をルートと呼んだ。博士が教えてくれた数式の美しさ、きらきらと輝く世界。母子は、純粋に数学を愛する博士に魅せられ、次第に、数式の中に秘められた美しい言葉の意味を知る。出演は寺尾聰(博士)、深津絵里(杏子)、斉藤隆成(子供のころのルート)、吉岡秀隆(先生になったルート)、浅丘ルリ子(未亡人)。原作、小川洋子「博士の愛した数式」(新潮社刊)。小泉堯史監督。2005年作品。公式サイトはこちら

感想の前に、この作品中に出てきている数式は高校レベルの数式なのだが、素数・階乗・完全数・虚数あたりまでは辛うじて記憶していたものの、友愛数や指数関数と三角関数を結びつけるオイラーの公式(eπi+1=0)あたりは完全に記憶の彼方へ飛んでいた(博士、ルートともにオイラーを尊敬していたようだが、私が高専にいたころの数学の先生もそうだったように記憶している)。使っていないものは忘れる!仕方がない!

この作品の中で最も心を強く打たれたのは病院のシーン。博士が杏子に「直線を描いてごらん」というシーンだ。厳密な直線の定義によれば永遠に続く線が直線であり、始点と終点を持つ線は線分と区別される。しかし、紙という限られたスペースに書ける線には限界があるし、永遠に線を書き続けることができるだけの体力がある人間など存在しない。つまり、本当の直線というのは視覚化することができない、心の中にしか存在し得ないものだという。そして、直線のような視覚化出来ない、心の中にあるものの中にはとても大切なものがあると博士は話す。
私はこのところずっと考えていることがある。時間のことである。時間というものが確実にあるということは皆が知っているのに、例えば空間の広がりのように視覚的に認識することができない。先の直線のようなものである。そして、あるときは長く、あるときは短く感じられて捕らえどころがない。
人は「いつか」という(本当にあるのかどうかわからない)将来に期待し、「いつか」という過去に後悔したりしながら生きてしまいがちだが、80分で記憶が切れてしまうという博士にはこれがないのである。常にその瞬間瞬間を大事に(もちろん、博士はそういう意識は持てないのだが)生きているその姿は、生物としてむしろ自然なのではないかと思わされた。

上映時間は117分と長すぎも短すぎもせずちょうどよい。静謐な物語の展開も自分にはちょうどよかった。心が温まり、数学に対する興味を再び持たせてくれた秀作と評価したい。お勧めできる1本である。

渡辺文樹監督

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蓮田駅へ向かう途中、強烈な怪電波を感じた。電波の発信元は電柱の看板である。近づいて見てみると…アッーーーーーー!(ニコニコ動画風にお願いします)御巣鷹山!

この映画の監督及び主演は「渡辺文樹」。私の地元、福島県が生んだ怪人監督である。
彼の映画の放映は突然、日本全国のあるところでゲリラ的に行われる。その公開予告に使われるのがこの手の看板だ。看板には「気絶者続出」、「観ると吐く!」、「吐くなら吐け!」 、「子供は見るな!」、「イスラム圏上映禁止、なぜだ! 見りゃ納得」 、「スティーブン・スピルバーグが絶賛!」といったかなりの誇張交じりの台詞が筆文字で殴り書きにされている。その文字から、かなりの怪電波が感じられる。人によっては怪電波にやられてしまうだろう。私も15才の頃に地元で『ザザンボ』という作品の看板の「たまには皆でそろって吐くのもいい思い出」 という文字を見せ付けられ、恐怖におののいた記憶がある。

彼の作品をざっと列挙すると

  • 家庭教師(1987年)
  • 島国根性(1990年)
  • ザザンボ(1992年)
  • 罵詈雑言<バリゾーゴン>(1996年)
  • 腹腹時計<ハラハラトケー>(1999年)
  • 御巣鷹山(2005年)
などがある。
どの作品も少なからず問題を抱えており、『ザザンボ』では実際にあった殺人事件を元ネタとし実名を使って放映したために福島県法務局が動いた。『腹腹時計』では天皇暗殺計画の話であったために(天皇が乗っている電車に、地元ローカル線「阿武隈急行」をぶつけるという…)、上映会場に右翼の街宣車が殺到した。また、他作品においても上映後「金返せ」コールと暴動が起きた。こんな具合だから、一般映画館での公開は完全に不可。公民館などの施設を使っているのだが、会場を貸す側も必死であり(会場を貸す、貸さないで裁判沙汰になったことも…)上映もゲリラ的にならざる得ない。

面白い特徴なのだが、この監督の作品では必ず自分が主演なのである。監督「渡辺文樹」・主演「渡辺文樹」である。全て低予算なので自分が主役をやらざる得ないという事情もあるのだろうが、ようは目立ちたがり屋で格好良い姿を見るのが好きなのだろう(あくまで渡辺監督の主観的な格好良さですけど…)。最近作の『御巣鷹山』では日航機墜落事故があった当時の首相、中曽根康弘(役の俳優)とガチンコで事故の秘密を追求し、中曽根の手下とされる役者(シルバー人材センターで調達した老人…低予算だから…)相手に木刀もって暴れまくる。監督、もういい年で全然動けないんだろうけど…

今回は11月29日(木)~30日(金)にかけて「さいたま市民会館うらわ」で『腹腹時計』、『罵詈雑言』、『島国根性』、『ザザンボ』、『御巣鷹山』が上映される予定。何で平日昼間にやるんだよ~。見に行けないじゃないかよ。休日だったら絶対行ったわ。
実はこう「知っている風」に渡辺監督の作品について述べているものの、実は私1作も見ていません。アングラ系の本やサイトばかり見ているので、ほとんどのシナリオは知っているのである。
本当はとても見たいのだが、このようなゲリラ上映では中々自分の都合の良いときに作品を見ることは出来ない。もちろん、多くの作品はメディア化されていない(されていてもどこで購入すればいいのかわからない。渡辺監督の事務所である「マルパソプロダクション(クリント・イーストウッドに怒られるぞ!)」なら売ってくれるのか?)。唯一、常に見られる場所といえば福島県立図書館。何故かあそこには館内閲覧用のVTRが数本あるらしい。今度福島県立図書館が休館で無い日に福島に居たら、絶対に観に行くつもりである。

今後の渡辺作品だが『ノモンハン(2007年上映予定)』、『松川事件(2008年春、東北地方で撮影開始予定)』とのこと。もうすぐ2007年も終わりなのだが、ノモンハンはできたのだろうか?松川事件の台本作成も大丈夫なのだろうか?
上映会の多くには渡辺監督自身がやってくるという。お忙しいのだろうが、我々の度肝を抜く作品をこれからも世に放ち続けてほしい。

ラッキーナンバー7

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近所のレンタルビデオショップがくれた\100割引券の有効期限が今月一杯で切れる。まだ3枚残っているのに何だかもったいない。家に帰れば見るべきDVDやら録画したTVやらが大量に(もう50時間分くらい)たまっているわけだが、割引券を消費したいという思いを抱き、ビデオショップへ。
見たい映画はいくらでもあるのだが、息子が寝てしまえば大音量でDVDを見ることはできないわけで、実際に借りて見られるのは1本がいいところ。そのレンタルビデオショップのランキングで上位に入っていた本作を、何の予備知識も無しのまま借りて視聴した。

初めに空港らしいシーンでグッド・キャットから、過去にあったマフィアによる凄惨な事件の回想が入る。もちろん、何でこの話がここで入るのかは全くわからない。とにかくグッド・キャットはどこにでも現れる不気味な役でしばらく謎の存在である。
その後、仕事をクビにされ、彼女の浮気を知り、自宅アパートがシロアリ被害で閉鎖された上に、強盗に顔を殴られたという不幸続きの男スレヴンが友人ニックの家に間借りするためにやってきた。ところが、対抗しあう2組織のギャングにニックと間違われ、「借金の取立て」を理由に連れて行かれてしまう。双方から殺しの依頼をされ、遂行せねば殺すと脅される。ひどい人違いもあったものだ…と、笑いながら見ていると…出演はジョシュ・ハートネット(スレヴン)、ブルース・ウィリス(グッド・キャット)、ルーシー・リュー(リンジー)、モーガン・フリーマン(ボス)、ベン・キングズレー(ラビ)、スタンリー・トゥッチ(ブリコウスキー)ほか。ポール・マクギガン監督。2007年作品。R-15指定。公式サイトはこちら

中盤から後半にかけて(序盤~中盤はちょっと単調。猛烈に眠くなった)冒頭の回想ムービーとの関連性が見えてくる。そうすると、一つ一つの行動や発言の意味が次第にわかってくる。例えば、彼はリンジーに「3つの不幸にあった」と言っているが、実際には4つの不幸に見舞われている。1つをカウントしなかった理由は?など。最後はちょっとできすぎかな?こういう展開じゃなくて、残酷に徹しても良かったと思う。R-15指定になっているが、そこまで規制しなくてはいけないかどうかは微妙。私は別にR-15にしなくても良かったと思うが。もし、バイオレンスなシーンを敬遠してこの作品をご覧になられていないのであれば、そんなに心配はないと思う(国内映画のR-15規制作品は結構キツイよなぁ)。
モーガン・フリーマンが(重要だけど)ちょっと情けない役なのは、好きな俳優だけに何だか微妙。ブルース・ウィリスは陽気な親父役よりも、こういう感じの沈着冷静なキャラクターの方がいい。ただ、このキャラクターでは主役にはなりにくいから仕方が無いのかな?

内容は割と満足でした。

フラガール

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福島県出身者なら見なくちゃダメだろ…と思い手にとった1本。

エネルギー資源が石炭から石油へと変わろうとする昭和40年。日本中のほかの炭鉱と同様に、福島県いわき市(当時は常磐市)の常磐炭鉱も廃鉱への道を余儀なくされていた。採掘規模は小さくなり、人員も整理縮小される(実際に閉山となるのは昭和51年)が、雇用再建に向けて今まではただ捨てるだけだった、炭鉱から湧き出る温泉を生かした一大観光事業へ乗り出す。その環境事業の結果が常磐ハワイアンセンター(現スパリゾートハワイアンズ)である。その立ち上げに関わった人々を描く。主演は松雪泰子(平山まどか)、豊川悦司(谷川洋二朗)、蒼井優(谷川紀美子)、山崎静代(熊野小百合)、富司純子(谷川千代)、岸部一徳(吉本紀夫)ほか。李相日監督。2006年作品。公式サイトはこちら

タイトルが「フラガール」なだけに、炭鉱婦の女性がハワイアンセンターのダンサーになるまでを描いている。ずぶの素人である女性たちにダンスを教えるのが平山まどかである(ちなみに早川和子さんという女性がモデル。この方はまだ現役でダンサーを鍛えている。平山まどかのように借金取りに追われる生活をしていたわけではないらしい)。初めのダンサー募集に集まったのが谷川紀美子をはじめとする4人。生徒もどうにもならなければ先生もどうにもならない。決裂しそうなところを吉本紀夫(中村豊 常磐興産元社長がモデル)が何とか仲を持ち、見事なダンサーへと成長していく。
ラストはハワイアンセンターのオープンとなるのだが、そのときのダンスが見もの。蒼井優すごいぜ!良くここまで練習したなぁとちょっと感動。音もDTSで収録され、迫力は十分。できれば5.1ch環境下でご覧頂くことを強くお勧めする。

007 カジノ・ロワイヤル

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007シリーズ21作目。しかし、原作者「イアン・フレミング」の小説007では「カジノ・ロワイヤル」が第1作目なのである。よって、本作では若き日の「ジェームズ・ボンド」が描かれる。今回からジェームズ・ボンドの配役が変わり、第6代目ボンドを「ダニエル・クレイグ」が担当する。初の金髪のボンドの登場である。

出演は ダニエル・クレイグ(ジェームズ・ボン)、エヴァ・グリーン(ヴェスパー・リンド)、マッツ・ミケルセン(ル・シッフル)、カテリーナ・ムリーノ(ソロンジュ)、ジュディ・デンチ(M)、ジェフリー・ライト(フィリックス・ライター)、ジャンカルロ・ジャンニーニ(マティス)他。マーティン・キャンベル監督。2006年作品。オフィシャルサイトはこちら

オープニングは00(ダブルオー)のエージェントに昇格するために必要な2度目の暗殺シーンから始まる。007のオープニング前といえば派手なカーチェイス等が描かれるが、地味目のスタートである。
00エージェントとなって初の任務は「テロ組織の資金源調査と根絶」。しかしターゲットを取り逃がし、大使館に駆け込まれたにもかかわらず、館内に侵入してターゲットを射殺してしまう。ここまでのアクションシーンがすごい。後半にかけてアクションシーンが減っていく本作では、アクションの最大の見せ場だろう。なお、この件でボンドはMに叱責される。
中盤は飛行機の爆破テロによる株価暴落を狙った死の商人である「ル・シッフル」と、テロリストからの資金をかけたカジノバトルが見もの。ボンドが窮地に陥る際のCIAエージェントとのやり取りも中々面白かった。
そして終盤は…実際に見てください。

今までのシリーズと比べると全体的に大人しい印象が否めず、定番であるボンドカー(アストンマーチンDBS…かっこいいんだけどあっという間に大破)もほとんど活躍していない。スパイグッズも携帯電話と小型発信機位しか登場しない(時計にも特別な機能は盛り込まれていない。だが「ロレックス?」と聞かれて「オメガだ」と答えるシーンには大満足!)。
この作品は従来の007シリーズとして見るよりも、別な新しい作品として見る方が適切なのかもしれない。まぁ、借りて損は無い1作だと思う。

嫌われ松子の一生

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最近、息子がリモコンに対して異常なほど執着を持つようになった。私がリモコンを使っている姿を目にすると、それを手にするまで泣き叫ぶ。勝手にチャプター移動をされたり、音量を変えられたり、アンプやDVDプレーヤーの電源を切られたり…。
そんなわけで、息子のリモコンに対する悪戯を避けるためにあやしながらDVDを見ているのだが、内容が良くわからなくなってしまうことも多々…。そんな家庭の事情があるもので、最近は難しい作品よりも簡潔でわかりやすいものを見るようにしている。本作もそんなことを考えながら選んだ一本である。


「愛されたい」というその思いがゆえに不幸な人生を歩んでしまうことになる「松子」の一生を、その時代の歴史と共に駆け抜けていくというかなり痛快なストーリー。高度経済成長時代やバブル時代の回顧録といってもいいだろう。この作品は松子が死んだことを松子の甥「川尻笙」が知るところから始まり、松子の部屋を掃除したり、生前の関係者と接触することでその一生を振り返っていく。
出演は中谷美紀(川尻松子)、瑛太(川尻笙)、伊勢谷友介(龍洋一)、香川照之(川尻紀夫)、市川実日子(川尻久美)、黒沢あすか(沢村めぐみ)、柄本明(川尻恒造)、柴咲コウ(渡辺明日香)ほか(一瞬しか登場しない出演者も加えると、ものすごい数!)。中島哲也監督。2006年作品。公式サイトはこちら

中谷美紀主演のドラマというと、私は1999年に放映され後に何度か映画化された「ケイゾク」がまず浮かぶ。中谷美紀は東大卒のキャリア警官の役であったが、かなりずれた所があるキャラクターであった。その印象が拭えないもので、今回もちょっと代わった役回りを期待したのだが、それに見事に応えている。まさに適役。また、松子は中学校の教師だった時代にコーラス部の顧問を務めるなど作品中で何度も歌うシーンが出てくるのだが、CDリリースの経験がある彼女だけのことはあり、うまく歌っている。
最近はテレビドラマで中谷美紀を見かけることが少なくなったようだが(というか、私がテレビドラマをあまり見ないから気がつかないだけ?)、同じようなキャラクター路線を柴咲コウが継承しているように思える。ちなみに二人とも芸能事務所も同じである(スターダストプロモーション…沢尻エリカ問題で有名になりましたね)。その「似ている印象」を持つ二人が本作では競演しており(但し、一緒に現れるシーンは皆無ですが)、それもまた面白い。

深刻なシナリオでも演出が良く出来ており娯楽映画として単純に楽しむことができると思う。レンタルして見る価値は十二分にある。お勧めである。
なお、原作と映画ではシナリオが若干変わっており、松子の死以降の話もあるという。機会があれば読んでみたいと思う。

日本沈没(2006年版)

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おそらく私より上の世代の方には有名な映画であろう、1973年に放映された同タイトル映画のリメイク版である。原作は小松左京。同1973年に小説が刊行され、上下巻合わせて385万部を売り上げた。その時代は、日本はオイルショックのような社会不安を経験し、ノストラダムスの予言や超能力がブームになった頃である。このようなパニック作品が流行する下地があった時代だったのだろう。

アメリカ測地学会が「40年以内に日本沈没」との報告を日本政府に行い、この詳細を田所博士が地質調査、日本沈没までの期間をシミュレートしたところ、1年以内に沈没することが判明する。このことを国民に公にすることによるパニックを防ぐため、政府は「日本は5年以内に沈没」との公式発表をする。しかし、駿河湾沖地震(沈没101日前)、北海道と阿蘇山の噴火(沈没70日前。この時、九州上空を飛行していた政府専用機が墜落し、山本首相は死亡)、北海道・四国分裂(沈没60日前)といった天変地異により多くの死亡者が出ることにより、国内は国外への脱出パニックに陥る。政府は日本国民と資産を海外へ脱出させる「D計画」を立案・発動するが、事態の推移は当初の田所の予想すら超えた速度で進行していた。そんな中、政府高官との対立により干されていた田所博士の元に、元妻でもある鷹森沙織文部科学兼危機管理担当大臣が赴き、日本沈没を防ぐための方法は無いか相談する。そこで田所はプレートを爆薬によって破壊し、地震を食い止めるという案を話す。その計画のために世界各国から掘削船を集め、プレート破壊計画へ乗り出す。出演は草なぎ剛(小野寺俊夫)、柴咲コウ(阿部玲子)、及川光博(結城達也)、福田麻由子(倉木美咲)、吉田日出子(阿部玲子の叔母)、柄本明(福原教授)、國村隼(野崎亨介内閣官房長官)、石坂浩二(山本尚之総理大臣・特別出演)、豊川悦司(田所雄介博士)、大地真央(鷹森沙織・文部科学兼危機管理担当大臣)。樋口真嗣監督。2006年作品。公式サイトはこちら

ざっとあらすじを書いたのだが、主役の二人のことを書き忘れていた。1973年版では主役は田所博士(「日本沈没」という大きなシナリオを語る上では必須のキャラクターである)だったのだが、2006年版では、深海調査船「わだつみ6500」のパイロットの結城と共に担当していた小野寺と、東京消防庁のハイパーレスキュー隊員である玲子が主役となっており、この二人の恋愛が話の中心となっている。当初、小野寺には深海調査船のパイロットとしてイギリスからオファーがあり、そのオファーに乗ってイギリスへ移る予定であった。これに玲子も誘うのだが、玲子はハイパーレスキュー隊としての職務を捨てることが出来ず、結局日本に留まることになる(ちょっとこの辺りのやり取りに冗長が見られるのだが)。その頃、田所博士のプレート破壊計画の締めくくりとして爆薬を投入する役割を「わだつみ6500」にて結城が担当したが、突然の海底火山に爆発により失敗してしまう。紆余曲折あって、その爆薬投入任務を小野寺が担うことになるのだが、果たして…?

監督が樋口真嗣ということで、一抹の不安(同監督作品「ローレライ」のレビューはこちら)を隠せなかったのだが、予想以上に良い出来であったように思う。だが、小野寺・玲子のシーンの多さ、そして最後のシーンの演出から「これって、アルマゲドン?」と揶揄されても仕方が無いような印象も否めなかった。結果的にかなりの興行成績をあげたようだが、アルマゲドンも酷評されつつも、興行成績は悪くなかった。映画を単純に娯楽として楽しむ分には決して悪いものではないと思う。まだご覧になられていないのであれば、レンタル屋で借りて見る分には決して損はしないと思う。音響はかなり凝っているので、出来れば5.1ch環境下でごらん頂くことをお勧めする。


本作は1973年版と比べると相当に設定が変わっているという。1973年版の方がかなり原作に忠実であるとのことだから、もしレンタル屋にDVDがあったら借りてみようと思う。
また、本作のパロディとして筒井康隆が小松左京の許可を得て作成した「日本以外全部沈没」という作品がある。これも2006年にリメイクされているとのことなので、ぜひとも見てみたい。

七人のマッハ!!!!!!!

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「特撮、CGを使いません」ということで、全編ムエタイ選手のスタントマンなしの「生身アクション」で話題となったタイ映画『マッハ !』続編。しかし、前作とシナリオの関連性は全く無い。「生身アクション」というコンセプトのみを継承した作品である。今回はムエタイ選手だけでは無く、サッカー選手や体操の選手ら7人が生身アクションに挑む。

捕らえられた麻薬王ヤン将軍奪回のため、武装集団がタイ最北部の小さな村を襲撃。村人を人質に政府に将軍の釈放を求めたのだ。そんな村にたまたま慰問で訪れていた、テコンドーやサッカーなどの国内の一流スポーツ選手と刑事デューが立ち向かうことに。主演はダン・チューポン,、ゲーサリン・テータワッタクン、ピヤポン・ピウオン、アモーンテープ・ウェウセーン、ラッタナポーン・ケムトーン。パンナー・リットグライ監督。2006年作品。

前作を見ていたこともあって、有無を言わさずこのDVDを借りてしまった(それほどに前作のアクションはすごかった)。アクションは十分に堪能できるものの、シナリオはほとんど無いに等しい。そういったところが気になる方は見るべきではない映画である。映画というより、サーカスを見ているのに近い感じである。
しかし7人もアクションを担う役者を出す必然性はあまり無く、さらに襲撃される村にも恐るべき生身アクション役者が居るため、ちょっと「おなかいっぱい」感が正直否めない。ちなみに私のお気に入りは、足を1本無くした少年が見せる松葉杖を使ったアクションである。下手な2本足よりも圧倒的に器用に見える。

トリック -劇場版2-

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レンタルビデオ店に行くと、見たいと思いつつも見忘れた映画が膨大にあることに気づかされる。トリックは劇場版1は劇場に見に行き、テレビ版もほとんど見ていた。2も、1を一緒に見に行った方に誘われていたのだが、何だか良くわからないうちにうやむやになって、見に行くのを忘れていた。「これで最後だ!」とトリックシリーズの終了を公言しているのがとても残念だが、仲間由紀恵も売れまくりの女優であり、こればかりやってもいられないのだろうか。
(しかし、作品最後の「完」の右下に「かも」の文字があったのを見逃さなかったが)

富毛村(「ふもうむら」と読む)出身の青沼和彦という青年は10年前に行方不明になった幼なじみの西田美沙子という女性を探して欲しいと上田教授に依頼した。依頼を引き受けた上田と奈緒子は、西田美沙子を探しに筺神(はこがみ)島へ向かう。しかし、その南海の孤島には恐ろしい霊能力者である筺神佐和子率いる「箱のゆーとぴあ」と呼ばれる宗教団体が暮らしていた…。主演は仲間由紀恵(山田奈緒子)、阿部寛(上田次郎)、生瀬勝久(矢部謙三)、野際陽子(山田里見)、片平なぎさ(筐神佐和子)、堀北真希(西田美沙子)、平岡祐太(青沼和彦)、綿引勝彦(回りくどい富毛村村長)、上田耕一(佐伯周平)、北村有起哉(伊佐野銀造)、池田鉄洋(秋葉原人)、瀬戸陽一郎(照喜名保)、大島蓉子(池田ハル)、アベディン・モハメッド(ジャーミー君)、なすび(隣の部屋に住んでいる夫)、ゆーとぴあ ホープ(山崎箱一)、ゆーとぴあ ピース(山崎箱二)、有吉弘行(二世代ローンが気になる村人)、山崎樹範(途中でいなくなった村人)、温水洋一(原因不明の病で倒れた現場監督)、大仁田厚(大仁田厚)、マギー司郎(マジシャン)、重泉充香(ズワイガニがうれしい信者の吉田美津子)他。堤幸彦監督。2006年作品。公式サイトはこちら

例によってゆる~い感じの笑いが盛りだくさんである。初めは毎度おなじみ、山田母の書道教室でのバカバカしい文字のラッシュ。こうした細かい演出はコマ送りで見ないと追えないので、DVDだと自由に見ることができて大変ありがたい。「次のシーンで大仁田厚登場」という文字の次のシーンで本当に本人が登場していた(政治家役として…w)。
今回の悪役は2時間殺しドラマの女王、片平なぎさ。本人が登場した瞬間、噴出しそうにそうになった。船越英一郎が出なくて良かった(笑)。筺神島に乗り込み、美沙子を助けた後に富毛村へ向かう。この村、「毛」の名前がついているだけに、当然あの方(矢部謙三)が出てくるのだが、あまり活躍することが無かったのが残念だった。同じく、山田母もさほど活躍の場がなかったなぁ。本当に最終回にするのであれば、初回からのメンバーであるこの2人はもっと活躍させてほしかったなぁ。
こんな具合の消化不良があるので、これで最後にはして欲しくないと切に思った。

M:i-3

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続編作品が最近はリリースラッシュのような気がしてならないのだが…インディジョーンズもまた続編をするそうで…M:i-2から5年だから、本作はそれほど久しぶりではないかな?とにかく見忘れていたので、レンタルビデオ屋で借りてきた。後でamazonでスペシャルエディションが\1,500位で売っているのを見て、買えばよかったとちょっと思った。

M:i-1は「スパイ大作戦を思い出させる」という意味で、非常に成功した映画であったと思う。M:i-2は「ジョン・ウー監督によるアクション」が見られるということで、これも成功。さて、本作は?

米国のスパイ組織IMFのエージェント、イーサン・ハントは、現場を退き教官としての仕事をしながら婚約者のジュリアと幸せな生活を送っていた。そんな彼の元に、かつての教え子である女性エージェント、リンジーが捕らえられたという知らせが届く。迷いながらも救出作戦に参加したイーサンは、仲間達とのチームワークを発揮し見事にリンジー救出を果たしたが、ヘリに乗って逃げる途中、リンジーの頭に仕掛けられた爆弾の時限装置が作動し、リンジーが死んでしまう。イーサンはリンジーの任務であった、ブラックマーケットの商人であるオーウェン・ディヴィアンを拘束すべく、仲間と共にバチカンへ向かうが…。主演はトム・クルーズ(イーサン・ハント)、フィリップ・シーモア・ホフマン(オーウェン・ディヴィアン)、ヴィング・レイムス(ルーサー・スティッケル)、ローレンス・フィッシュバーン(ブラッセル)、マギー・Q(ゼーン)、ジョナサン・リース=マイヤーズ(デクラン)、ミシェル・モナハン(ジュリア・ハント)、ケリー・ラッセル(リンジー・ファリス)、サイモン・ペグ(ベンジー)。J・J・エイブラムス監督。2006年作品。

シナリオはちょっとありきたりだけれど、使用するスパイツールがかなり面白い。そしてアクションは前作ほどではないにしても、かなり派手。何も考えずスカッと楽しめる。が、劇場に見に行くほどのものではなかったかな。
音響が非常に評価できるので、ぜひとも5.1ch環境下での視聴をお勧めしたい。弾丸が飛んでくる方向から音が聞こえるし、爆発音もすごい。何よりすごいのがヘリの音。大迫力でした。

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